木造住宅ってどんなメリットがあるの?
おはようございます(^^)/
鈴木です
今日は木造住宅についてお話しします。
家を建てる時、日本では大きく分けて「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」というの3つの工法で家が建てられています。
では、その中で一年間で一番多く建てられているのはどの住宅なのでしょうか?
答えは木造住宅です。
日本で建てられる一戸建ての住宅のうち、8割から9割が木造で建てられています。
家を10軒建てるとすると、その中の8件から9件は木造住宅となっているんですね。
それだけ木造住宅というのは日本で馴染みの深い住宅と言えます。
では、どうして日本でそれだけの木造住宅が建てられているのでしょうか?
木造住宅が気になる方はぜひご覧ください。
木造住宅の特徴
木造住宅とは言葉で説明すると「柱や梁、土台などの構造部分が木材で作られている家」になります。
もっと簡単に言うと「木で出来ている家」全般のことを木造住宅と呼ぶんですね。
もちろん、木造住宅といっても全て木で出来ている訳ではなく、今では金属部品と組み合わせることで地震でも倒れない強い家にするなど、テクノロジーと昔からの日本の技術をうまく融合させて建てられていることがほとんどです。
では、木造住宅というとあなたはどのようなイメージを持っていますか?
日本で昔から木の家を建てているので日本の環境に合ってそう。
木は燃えるので火には弱そう。
木の香りがして木のぬくもりを感じられそう。
でも腐るから耐久性はちょっと弱そう。
上記のイメージのどれかに当てはまる方も多いと思います。
木造住宅は日本の家に合っている
木造建築で日本で一番有名なのが法隆寺の五重の塔です。
約1,300年前に建てられた木造建築で、今も現存しています。
日本では森林資源が豊富で木が手に入りやすかったのと同時に、四季があり高温多湿という環境の中で通気性の良い木造住宅というのは色んな面で日本に合っていたんですね。
そんな昔から日本に馴染みのある木造住宅ですが、大きく分けて2種類の木造住宅に分けられます。
「木造軸組工法」と「ツーバイフォー工法」の2つの木造住宅です。
この2つの木造住宅の違いは作り方に違いがあり、木造軸組工法は日本で昔からある木造住宅の建て方で「在来工法」とも呼ばれる家の作り方です。
一方、ツーバイフォー工法は北米で発達した工法で、それが日本に輸入され、今では家を建てる時によく使われる工法となりました。
木造軸組工法は土台や、柱、梁といった構造材を現場で組み立てて、筋交いという斜めの部材で家を補強して家を建てることで家の強度を出しています。
一方、ツーバイフォー工法では、ツーバイ材と呼ばれる規格化したサイズの木材でフレームをつくり、構造用合板で外周の壁と床面を補強していきます。床と壁で家を支えるようなイメージですね。
木造住宅は火に弱そう
木は燃えるので、木造住宅は火に弱そうと言うイメージを持っている方も多いと思います。
では、実際はどうなのでしょうか?
木造住宅が燃えやすいか燃えにくいかで見てみると、分かりやすいのが火災保険の金額です。
火災保険の金額を見てみると、鉄筋コンクリート造や鉄骨造と比べると木造住宅は火災保険の金額は高く設定されており、やはり木材を使っているので燃えやすいのは事実です。
ただ、防火地域という一定以上の耐火性能が求められる地域でも木造住宅は建てることができるので、必ずしも木造住宅が火に弱いと言うことではなく、燃えにくくするためには他の部材と組み合わせるなどの工夫が必要となってくるんですね。
また、木は燃えやすいイメージがありますが、木がすぐ全部燃えるといかというとそんなことは無く、燃えやすいのは木の周りの部分で中心部分まで火が届くのは意外と時間が掛かるようになります。
火が燃えるためには酸素が必要になりますが、木の燃えた部分が炭化して酸素供給の邪魔をするために火が中心部まで届くのに時間が掛かるんですね。
そのため、木造住宅だからといっても燃えてすぐ朽ち落ちてしまうのではなく、万が一の場合は避難するための時間は十分確保できる構造になっています。
木の香りがしてぬくもりを感じる
匂いや香りというのは、人の感情や本能に影響を与えるものです。
たとえば、ほのかな「木の香り」は心身をリラックスさせる効果がありますし、不安や緊張、イライラといった不快な気分を和らげる効果があると言われています。
木の香りを嗅ぐことで気持ちがホッと落ち着つくという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これは木の香り成分であるセスキペルテンによるものです。
セスキペルテンはアロマテラピーでもよく使われる物質で、その効果としては呼吸数の減少、血圧や脈拍の低下、気分が落ち着いたときに現れる脳内のα波の増加という効果があります。
このように木の香りは自律神経に作用してストレスを減らすなど、人にとってプラスの効果があるんですね。
また、木に囲まれた暮らしというのは温もりを感じやすいものです。
実際、手で鉄やコンクリートに触った時は冷たいと感じますが、木に触った時は暖かく感じるケースがよくあります。
これは、人が冷たいと感じるのは触れた物に体温が奪われてしまっているため冷たく感じられ、鉄やコンクリートと言うのは熱を伝えやすいんですね。
一方、木の中にはパイプ状の細胞が沢山あり、その中に空気が詰まっているので熱が奪われず温もりを感じやすくなります。
この効果は木造住宅の家を建てた後も持続し、木という構造材自体が暑さや寒さを伝えにくく構造材に適した部材ということになります。
木材には調湿効果がある
暑い時期は空気中の水分を木の中に吸い込む働きがあるので湿度を下げる効果がありますし、反対に冬場で室内が乾燥すると、木材の中に蓄えていた水分を空気中に出して乾燥を和らげてくれます。
もちろん、木材だけで家の中の湿度を調整するというのは難しいものですが、住環境を少しでも良くしてくれるというの自然素材ならではのうれしい機能ですね。
このように湿気が木造住宅の大敵であることは木造住宅を建てている会社や工務店であれば十分理解しているので、今では家の中に湿気が多い環境を作らないというのが家づくりの大前提となっています。
たとえば、土からの湿気が上がってきやすい建物の基礎部分はベタ基礎という家の床下全体をコンクリートで固めるという工法が主流となっていますし、家の土台部分や地面に近い湿気が多くなりがちな部分は防蟻措置といってシロアリ被害に会わないよう処理されています。
最近では100年以上前の木造住宅をリノベーションしてカフェやホテルにしているケースもよく見かけます。
それだけのポテンシャルを木造住宅は備えているんですね。
木造住宅は耐震性について
現在建てられている木造住宅は、震度6強から震度7の地震で倒壊しないというのが最低限の基準で定められています。
具体的な内容で言うと、震度6強の地震で家に被害は出る可能性はあるけども、人が家の下敷きになってしまわないよう設計されているんですね。
この基準が「耐震等級1」と呼ばれるものです。
そして、この「耐震等級1」の強さを1.25倍にした家を「耐震等級2」、1.5倍にした家を「耐震等級3」というように等級分けがされています。
このように同じ木造住宅でも、どの耐震等級まで地震対策をしておくか選ぶことができるんですね。
断層が近い地域であったり、地震にしっかり備えておきたい場合であれば「耐震等級3」を。
そうでない場合であっても、やはり家は人を守るという役割があってのものなので、最低でも「耐震等級2」は目指したいですね。
その他、最近では昔ながらの木造住宅に最新の建築技術を取り入れたハイブリッド仕様の木造住宅というのも増えてきています。
たとえば、木造住宅の耐震性に加えて制震システムを木造住宅に組み込むというケースをよく見かけます。
耐震というのは金物等で家を固めて地震対策をするという方法になりますが、制震というのは力を逃して地震の被害を減らすという手法になります。
もともと木材というのは粘りが強いものですが、金物などで固めている分、1度の大きな地震で被害が全く出なかったとしても、木材にダメージが残ってしまうケースというのも考えられます。
そうならないよう、家への衝撃を和らげるために制震システムを入れるという訳なんですね。
このように、木造住宅の耐震性といっても一言で強い弱いを判断するのは難しく、色んな選択肢がある中で地震などの災害への考え方や予算を踏まえた上であなたに最適なものを選ぶというのが正解となってくるんですね。
木造住宅のメリット
木造住宅のメリットとしては次の3つが挙げられます。
建築コストを抑えられる。
間取りの自由度が高くリフォームもしやすい。
重量が軽い。
以上の3つが代表的なメリットとなります。
建築コストを抑えられる
木造住宅は鉄骨造や鉄筋コンクリート造の家と比べると建築コストを抑えられるというメリットがあります。
上の3つの工法で同じ間取り、仕様の家を建てた場合、一番コストを抑えて家が建てられるんですね。
木造住宅がコストを抑えやすい理由としては、工事の効率化という面が挙げられます。
現在では木造住宅で使う木材はプレカット工場と言う場所で柱や土台など家で使う木材をカットし、それを現場に運んで組み立てるという方法が主流となっています。
そのため工事を効率化することができますし、人件費も抑えることが可能になるんですね。
もちろん、木造住宅はコストが抑えられると言っても材質や部材の大きさによって価格は様々です。
やはりコストが高い分だけ見た目だけでなく耐久性も高い部材が多いですし、安いものはそれなりというケースもよくあります。
そのため、家を建てる住宅会社や工務店がどのような材料で家を建てているかは必ずチェックするのも忘れないようにしておきたいですね。
木造住宅は間取りの自由度が高くリフォームもしやすい
木造住宅は柱と土台、梁という3つの部材を組み合わせて屋根を支えるという構造になっているので、その部分さえしっかりしていれば他の部分はある程度自由につくることができます。
そのため間取りの自由度が高くなりますし、デザインの幅も広げやすいんですね。
これはリフォームする時も同じで、家の耐震性に影響を与えない場所であれば壁を取ることもできますし、新築時は壁にしておくけども、将来子供が巣立ったら部屋の壁を取り払いたい場合なんかは予め新築の段階で壁を取れるように設計しておけば簡単に広い空間を作ることも可能になります。
長年暮らす家であることを考えると、将来のライフスタイルの変化に対応しやすというのは大きな魅力ですね。
木造住宅は軽い
木を1本丸ごと持つのは大変なので木というと思いというイメージがありますが、実は木造住宅は建築物の中では軽い建築物となります。
通常の木は水分をたっぷり含んでいますが、家の構造に使う木はゆがまないように乾燥させて使うことになるので、鉄筋コンクリート造などと比べると家の重量というのは軽くなるんですね。
たとえば、木造住宅は建てる場所をあまり選びません。
木造住宅のデメリット
木造住宅のメリットを見てきましたが、木造住宅にはデメリットもあります。
それでは次に木造住宅のデメリットについて見てみましょう。
住宅会社や工務店の力量に左右されやすい
木造住宅は、実際に家を建てる大工さんの腕や住宅会社や工務店の品質管理体制によって完成する家の質が左右されやすい傾向があります。
木造住宅は工業製品ではないので、その品質は様々なんですね。
その理由としては、木造住宅は木材を現場で組み立てて建てるため、現場の力が有るか無いかで家の出来は変わってきます。
たとえば使用する木材は工場でプレカットされて運ばれてきますが、実際には細部などは現場で大工さんが加工することも多く、複雑な間取りやデザインの家ほど大工さんの腕による部分が大きくなります。
また、木材は湿気に弱い材料になります。
例えばあなたの家で使う木材が雨の中、野ざらしで置いてある工事現場なんかは嫌ですよね。
家の工事は屋根ができるまでは外での作業となるので必ず雨に濡れないというのは難しいものですが、雨にできるだけ濡れないよう養生をするなど会社ぐるみで工事現場の管理体制がしっかりしている住宅会社や工務店を選ぶというのも木造住宅を建てる時のポイントの1つになってきます。
まめなメンテナンスが必要
木造住宅の寿命は30年と言う言葉を聞いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
国が定める法定耐用年数を見てみても木造住宅は22年で鉄筋コンクリート造の47年と比べると半分以下となっています。
これだけ見ると木造住宅は耐久力が少ないように見えますが、実際に30年で家に住めなくなるようなことは欠陥住宅や災害にあわない限り今ではほとんどありません。
その理由は法定耐用年数が定められたのはかなり昔になりますし、建築技術の進歩に合わせて家の耐久性や住環境というのは向上し続けているからなんですね。
ただ、木造住宅はほったらかしにしていると耐久性が落ちやすいという特徴があります。
木造住宅の特徴でもお話したように、木材は湿気によって木材腐食菌が繁殖して腐りやすくなってしまい、一度腐ってしまうとどんどん耐久力が落ちてしまうため、まずは木材が腐る要因が起こっていないかまめに確認、メンテナンスすることが木造住宅を長持ちさせるための一番の秘訣となってくるんですね。
もちろん、自分一人では定期的にメンテナンスや点検をするのは中々むずかしいものです。
そのため、アフターサービスなど家ができてからも長い付き合いができるような仕組みがある会社を選んで家を建てるというのも家を長持ちさせるという点で効果的なんですね。
まとめ
今回は木造住宅について詳しく見てきました。
木造住宅は日本で一番馴染みの深い住宅なので、家というと何となく木造の住宅をイメージすることも多いですが、木造住宅には色んな特徴があり、メリット、デメリットを上手く頭に入れておくことでより満足いく家を建てられるようになります。
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